4.2 特例事業承継税制の活用

非上場会社の事業承継では、後継者へ株式を継承する際の贈与税や相続税の負担が重くなりがちで、それが円滑な事業承継を阻害する要因となることがあります。そこで、後継者が非上場会社の株式等を先代経営者等から贈与・相続により取得した場合、経営承継円滑化法による都道府県知事の認定を受けると贈与税・相続税が猶予される事業承継税制という制度が平成21年に出来ました。しかし、対象が限定的で使いづらい制度となっていましたので、平成30年度の税制改正において、事業承継に係るこの贈与税・相続税の納税猶予が従来に比べ拡大され、次世代経営者への引継ぎが行いやすくした特例事業承継税制が期間限定で制定されました。

(1)納税猶予の内容

贈与等により非上場会社の株式等を後継者へ引き継いだ場合、一定の手続きを行うことでその贈与にかかる贈与税が全額納税猶予されます。贈与した先代経営者が死亡した場合には、相続税の計算において贈与時の評価額が課税対象とされますが、これも全額猶予されます。

(2)先代経営者の要件

先代経営者の要件は以下の通りです。

①会社の代表権を有していたこと
②贈与の直前において、先代経営者とその親族等で総議決権の過半数を保有し、かつ、後継者を除いたこれらの者の中で筆頭議決権者であったこと
③贈与時に代表取締役でないこと

(3)後継者の要件

後継者の要件は以下の通りです。

①代表者であること
②贈与日に20歳以上で、贈与の直前3年以上役員であったこと
③贈与後、後継者とその親族などで総議決権の過半数を保有すること
④後継者の有する議決権数が次のイ又はロに該当すること
イ 後継者が一人の場合
  後継者とその親族等の中で最も多くの議決権数を保有すること
ロ 後継者が2人又は3人の場合
  総議決権の10%以上の議決権数を保有し、かつ、後継者とその親族等(他の後継者を除く)の中で最も多くの議決権を保有すること

この特例事業承継税制の適用を受けるためには、2026年3⽉31⽇までに特例承継計画を都道府県庁に提出し、確認を受ける必要があります。また、特例措置の適用期限は2027年(令和9年)12月31日までに行われた贈与または相続で、個人版事業承継税制の適用期限は2028年(令和10年)12月31日までに行われた贈与または相続です。

この記事を書いた人

税理士・中小企業診断士・行政書士 落合和雄
2005 年 3 月 税理士士登録(東京地方税理士会所属)
1987 年 1 月 中小企業診断士登録(東京都中小企業診断士協会所属)
2016 年 1 月 行政書士登録(神奈川県行政書士会所属)
税理士登録以降、相続案件に力を入れ、現在年間約 70 件の相続の相談に応じています。また、中小企業診断士として年間約20件の M&A を含む事業承継の相談に応じています。行政書士としては、遺言書の作成、家族信託の支援も数多く扱っています。
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