6.13 倒産隔離機能

 家族信託の機能の1つとして「倒産隔離機能」があると言われます。信託財産は、委託者、受託者とは切り離された財産とみなされ、誰のものでもない特殊な財産として扱われます。したがって、信託財産は委託者や受託者の固有財産ではなく、委託者や受託者が破産したり差し押さえを受けても、その影響は信託財産には及ばないと考えられます。

 つまり、委託者や受託者が破産しても、信託財産が破産財団に組み込まれることはありません。これをうまく使うと、倒産で差し押さえされる可能性がある財産を分離して財産を守ることができるように思うかもしれませんが、家族信託の場合にはそんなに簡単な話ではなく、実質この機能を使うことは非常に難しいと考える必要があります。この理由は以下の2つです。

(1)詐害信託とみなされる可能性がある
 詐害信託とは、委託者が債権者を害することを知って行う信託のことです。信託法では、詐害信託は裁判上で取り消すことができるとされています(信託法第11条)ので、差し押さえを防ぐことが目的で設定された家族信託は取り消される可能性が高いことになります。

(2)受益権の差し押さえ
 信託財産は差し押さえの対象にはなりませんが、信託受益権は差し押さえの対象になります。したがって、債務者である受託者兼受益者が他の資産で借入金の返済が出来ない場合には、信託財産から発生する収益で借入金の返済を行うことになりますし、また、場合によっては信託財産を売却して、受益者に入った売却金額で借入金の返済を行う必要が出てきます。

 つまり、家族信託の場合には、倒産隔離機能を使って借入金を払わないで済むというようなことは難しいと考える必要があります。

この記事を書いた人

税理士・中小企業診断士・行政書士 落合和雄
2005 年 3 月 税理士士登録(東京地方税理士会所属)
1987 年 1 月 中小企業診断士登録(東京都中小企業診断士協会所属)
2016 年 1 月 行政書士登録(神奈川県行政書士会所属)
税理士登録以降、相続案件に力を入れ、現在年間約 70 件の相続の相談に応じています。また、中小企業診断士として年間約20件の M&A を含む事業承継の相談に応じています。行政書士としては、遺言書の作成、家族信託の支援も数多く扱っています。
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