養子には、普通養子と特別養子の2つの制度があります。
普通養子が実親との親族関係が継続するのに対し、特別養子は実親との法律上の親族関係を消滅させ、養親に実親子関係に準ずる安定して親子関係を成立させる仕組みです。この特別養子は、6歳未満の未成年者に対して認められます。
普通養子の場合には、実親と養親の両方の法定相続人になるのに対し、特別養子の場合には、実親ではなく養親のみの法定相続人になります。
日本の法律において、養子は実子と同等の地位を持ちます。したがって、相続税の計算においても、養子は実子と同じ扱いとなります。これは、相続税率や控除額の計算、非課税額の設定など、さまざまな点で影響します。
しかし、養子縁組を相続税の節税目的で行うことは、税法上の問題や倫理的な観点からも問題があるとされています。そこで、普通養子の場合には、相続税の計算上、法定相続人とみなされるのは、養親に実子がいる場合には1人まで、実子がいない場合には2人までしか認められません。これは、養子縁組による過度な節税を防ぐためです。
養子と相続税の関係は密接であり、養子縁組を通じての相続税の節税効果は確かに存在しますが、その利用に際しては税法上の制限も踏まえた上で、養子になる本人の気持ちもよく聞いた上で行うことが重要です。
養子縁組を行うためには、養親となる人々と養子となる人が共に署名し、印鑑を押した養子縁組届を市区町村役場に提出します。この際の必要書類は、養子となる人の出生証明書や戸籍謄本、養親となる人々の戸籍謄本や住民票、その他市区町村役場によって求められる書類です。
届出が受理されると、養子と養親の戸籍に変更が加えられます。養子が未成年の場合、その養子縁組が法的に保護者の関係を変更するため、特に注意が必要です。