不動産が信託財産として、受託者が管理を行うことになると、登記簿に受託者の名前が記載されることになります。今まで所有者として登記簿に名前が記載されていた委託者に代わり、受託者の名前が権利者の欄に記載されます。ただ、これは管理者としての受託者の名前が記載されるだけあり、財産権が移ったことを示すわけではない点に注意してください。
このように受託者の名前が登記簿に記載されることにより、以下のようなメリットがあります。
・受託者が所有者として財産の管理が行えるようになる
受託者は、賃貸マンション、アパートや駐車場などの収益物件であれば、委託者が認知症等で判断能力が無くなってしまっても、借り手等との契約を受託者が貸主として行うことが出来るようになります。
・受託者が所有者として財産の処分が行えるようになる
委託者が認知症等で判断能力が無くなってしまっても、相続対策等で所有する不動産を売却する必要がある時に、受託者が売主として売買契約を結ぶことが出来ます。
このような受託者が所有者として登記されると具体的には、以下のような項目が登記されます。
(所有権に関する事項)
・登記の目的・・・所有権移転
・受付年月日・受付番号
・権利者その他の事項・・・原因 令和xx年xx月xx日信託
受託者 山田 花子
(信託目録)
・委託者に関する事項
・受託者に関する事項
・受益者に関する事項
・信託条項・・・信託の目的
信託財産の管理方法
信託の終了事由
その他の信託の条項