(家族信託活用事例4)配偶者の一族に財産が渡ることを回避

 最初の妻と離婚し、その後再婚するというケースはよくあります。この時に、最初の妻との間には子供がいるが、再婚した妻との間には子供がいないという場合、後妻の老後の生活を考えて後妻に全ての財産を相続させたとします。そうすると、後妻の相続が発生した場合(二次相続)、その財産は後妻の兄妹にいくことになります。これを防いで、二次相続の際には、後妻の兄妹ではなく先妻の子供に財産を渡したいという要望は多くあります。

 これを実現するための方策としては、後妻に遺言書を書いてもらうという方法が考えられますが、これはあくまでも後妻の意思であり、確実にそれを実行してもらえるという保証はありませんし、最初は書いてあったがその後書き直してしまう可能性もあります。

 このような時にも、家族信託を使うと先妻の子供に確実に財産を渡すことが出来ます。具体的には、以下のような仕組みにします。

 委託者を父とし、受託者を先妻の子供とします。この際に受益者と残余財産の指定先を以下のようにします。

・第1受益者 父
・第2受益者 後妻
・残余財産の指定先 先妻の子

 こうすることで、最終的な財産の帰属を先妻の子供にすることが出来ます。

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この記事を書いた人

税理士・中小企業診断士・行政書士 落合和雄
2005 年 3 月 税理士士登録(東京地方税理士会所属)
1987 年 1 月 中小企業診断士登録(東京都中小企業診断士協会所属)
2016 年 1 月 行政書士登録(神奈川県行政書士会所属)
税理士登録以降、相続案件に力を入れ、現在年間約 70 件の相続の相談に応じています。また、中小企業診断士として年間約20件の M&A を含む事業承継の相談に応じています。行政書士としては、遺言書の作成、家族信託の支援も数多く扱っています。
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